学力国際テスト、小4の理数上向く 「脱ゆとり」効果か
国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)は11日、小学4年と中学2年が対象の国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2011年の結果を発表した。全科目で平均点が上昇または横ばいとなり、参加国中で5位以内に入った。
文部科学省は「子どもの学力は改善傾向にある」と指摘。理数系を中心に学ぶ内容を増やして「脱ゆとり教育」路線を鮮明にした新学習指導要領を09年度から段階的に実施したためとみている。
参加国の平均が500点になるよう統計処理したところ、日本の平均点は小4の算数が前回より17点上昇、理科も11点上昇した。中2は数学が横ばい、理科も4点上昇だった。順位は小4算数と中2理科で1つ落としたものの、他科目は横ばいで上位5カ国・地域は維持した。
ただ学力トップの国に比べると成績最上位層の割合が少ない。成績を5段階に分けた際の最上位層の割合は中2数学で27%と韓国より20ポイント低く、小4理科も14%でシンガポールを15ポイント下回った。高学力をどう伸ばすかが課題になっている。
調査は4年に1度。03年は順位下落が目立ち、学力低下論争が起きるきっかけの1つになった。今回は小学校は50カ国・地域、中学校は42カ国・地域が参加した。日本は約8千800人の小中学生が受けた。