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応用力の定着は未知数 「問題が単純」の指摘も

小学生で平均点が上昇した2011年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)。苦手とされてきた応用問題の成績も向上し、文部科学省は「脱ゆとり教育」の成果とみる。ただ、今回のテストは問題が単純で、応用力が定着したとまではいえないとの冷静な指摘もある。中学生になると理数系科目が嫌いになる傾向も深刻なままで、学力向上への課題は多い。

TIMSSの問題は、知識の定着度、知識の応用力、推論を使って複雑な問題を解く力の3種類の内容がある。経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)などでは、日本の子どもは知識の応用や自分の考えを書く力が弱いとの結果が出ていた。

しかし、今回の調査では、応用や記述式の問題も国際平均を大きく上回る成績を残した。例えば中2理科で、未知の固体の性質を調べる方法を説明する問題。日本の正答率は72%で、国際平均の2倍になった。

小中学校では09年度から新学習指導要領に基づき、思考力や表現力の育成、実験・観察の充実に取り組んできた。同省は小4の成績向上はその成果とし、中2の平均点が横ばいだったのも小学校時代に新要領に基づく指導を受けていない影響が大きいと分析する。

一方、TIMSSの問題がPISAなどより単純で基礎的なことが好成績の要因とする声もある。同省のある幹部は「常識を働かせれば分かる問題が多い。応用力がついたとは判断できない」と冷静に受け止める。

学力トップの国に比べると成績最上位層が少ないのも課題だ。成績を5段階に分けた際の最上位層の割合は中2数学で27%と韓国より20ポイント低く、小4理科も14%で韓国を15ポイント下回った。

勉強への意欲では課題が鮮明になった。「勉強が楽しい」に肯定的に答えた中2の割合は、数学が48%で国際平均より23ポイント低く、理科が63%で17ポイント下回った。小4は理科が楽しいと答えた子が90%と国際平均を上回っており、中学生になると理数科目が嫌いになる傾向が浮かんでいる。

中2は数学を使う職業に就きたいと答えた生徒が18%、理科も20%と国際平均のほぼ3分の1になった。同省は「学習内容を身の回りの生活にうまく結びつけて考えることができていない」と分析している。

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