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「鳥の祖先は恐竜」証明 東北大、指成長の仕組み一致

起源巡る150年の論争に終止符?

鳥の翼と恐竜の前脚にある「指」の成長する仕組みが同じであることを、東北大学の田村宏治教授と大学院生の野村直生さんらが突き止めた。鳥が恐竜から進化したとする仮説を裏付ける結果。専門家からは始祖鳥の発見以来、鳥の起源を巡る約150年間の論争に終止符を打つ成果との意見も出ている。研究成果は11日、米科学誌サイエンスに掲載される。

鳥の起源を巡っては、羽毛のある恐竜の化石の発見が中国などで最近相次ぎ、恐竜から進化したとする説が有力になっていた。ただ鳥と恐竜はいずれも前脚が3本指であるものの、成長の仕方が違う。このため恐竜より原始的な爬虫(はちゅう)類から進化した可能性があるのではないかとする説の間で論争が続いていた。

卵の中のニワトリの前脚、左から親指、人さし指、中指になる。右端の指らしきものは退化する(東北大・田村教授と神山菜美子さん提供)

鳥と恐竜の前脚の違いは「3本の指がどの指から成長したのか」という点。これまで、ニワトリは卵の中では親指と小指が成長せず、「人さし指、中指、薬指」の3本指になったと考えられてきた。一方、恐竜は小指と薬指が退化した痕跡がある化石があり、「親指、人さし指、中指」の3本とされていた。

田村教授らがニワトリの卵で指の成長を促すたんぱく質を手掛かりに調べたところ、3本指に成長したのは恐竜と同じ「親指、人さし指、中指」だった。たんぱく質が成長の初期段階では薬指の位置にあったため、薬指が成長したと誤解されていたが、発生から3日目以降にはたんぱく質が薬指からなくなっていたという。

この結果は鳥と恐竜の前脚の指が成長する仕組みは同じであることを示しており、鳥が恐竜から進化したという説が裏付けられた。高校の教科書では鳥の前脚は人さし指から薬指の3本と書かれているが、これまでニワトリなどを使って実験した研究はなく、教科書が書き換えられる可能性が高い。

前脚に羽毛を持ち最古の鳥である始祖鳥は1861年にドイツで約1億5千万年前の地層から発見されたが、当時から進化の過程を巡って世界各国で論争が続いていた。

動物の進化に詳しい国立科学博物館の真鍋真研究主幹の話 鳥が恐竜から進化したという起源説を巡って唯一、残されていた矛盾を解消するすばらしい成果だ。現在の鳥や爬虫類などの発生過程をみれば、化石しかない恐竜の進化をさらに深掘りできる可能性を示した点でも意味が大きい。

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