もんじゅ、虚偽報告疑い 新たに未点検機器、13年秋は「完了」
原子力規制庁が3月、大量の機器点検漏れから運転禁止状態にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)を保安検査した際、新たな未点検機器を見つけていたことが10日、分かった。昨年9月の「全機器の点検が完了した」とする原子力規制委員会への報告と矛盾し、規制庁関係者は「報告が虚偽だった疑いもある」としている。
内規を逸脱して点検記録を訂正した不正な処理も100カ所以上見つかった。
もんじゅで機器の点検漏れが発覚して以降、機構は点検作業を進め、昨年9月「点検漏れは約1万4千件あった。点検漏れ機器も含めて調査対象の全機器約4万7500点の点検を終えた」と規制委に報告した。
しかし、関係者によると、規制庁が今年3月10~28日に行った保安検査で調べた約80点のうち、少なくとも2次主冷却系循環ポンプに関連する9点が点検から漏れていたことが判明。機構も昨年9月段階で「未点検」として計上していなかったと認めたという。担当課内の別チーム同士が、それぞれ点検したと思い込んだことなどが原因とみられる。
また、機構は昨年11月、再発防止のため点検頻度や方法を定めた点検計画を規制委に提出したが、保安検査の2~3日前、点検計画表に記された機器の点検日などを担当課長の訂正印や二重線で書き換えていた。訂正は100カ所以上に上っていたという。〔共同〕
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