震災復興、誰に託せば… 衆院選宮城2区、乱立でドタバタ

2012/12/11付
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投開票が5日後に迫った衆院選。東日本大震災で津波被害の大きかった仙台市若林区などを含む宮城2区は6人が立候補し、混戦になっている。自民、民主両党からの離党者らが第三極から相次いで出馬したためで、「誰に復興を託せばいいのか」と被災者らの困惑が続く。各陣営は「時間が足りない」と焦りの表情を浮かべている。

「東北、宮城の復興のため、がんばらせていただきたい」「住まいをどうするのか、皆様の細かい要望にできる限り寄り添いたい」。被災者らが暮らす若林区の仮設住宅には候補者らが相次いで訪れ、街頭演説や選挙カーで口々に訴える。

選挙戦中盤の平日の午後には約1時間で4人が来訪し、鉢合わせも発生。仮設住宅の町内会長、大橋公雄さん(69)は「被災地が一日も早く再起するためには国の力が一番大事。ただ、誰を選んでいいのか、分かりづらい面もある」と話す。

候補者乱立は、被災地で支持を得たいと考える第三極からの出馬が相次いだことが背景だ。

日本未来の党の前職、斎藤恭紀氏(43)は前回衆院選では民主から出馬。所属政党は「新党きづな」「国民の生活が第一」と移り、結党されたばかりの未来の党ののぼりやチラシが用意できたのは公示の数日前だった。陣営幹部は「時間が足りない」とこぼす。

斎藤氏の離党で、急きょ参院からくら替え出馬したのは民主元職の今野東氏(65)。2000年と03年の衆院選は宮城1区での当選で、2区での地盤の弱さが悩み。後援会の設立パーティーは11月下旬で、陣営幹部は「正直、準備万全とは言い難い」と漏らす。

日本維新の会の元職、中野正志氏(64)も自民から「たちあがれ日本」「太陽の党」を経て衆院解散直後に維新へ。過去の選挙は組織に支えられ、企業・団体の推薦状で事務所の壁が覆われたが今回はまばら。陣営は「今回は草の根の選挙」と街頭活動を強めている。

自民前職の秋葉賢也氏(50)陣営は「保守分裂が懸念材料」と警戒する。中野氏とは以前、選挙区と比例代表から交互に出馬する党の「コスタリカ方式」で共闘した仲。支持層が重なる県議の動向にも神経をとがらせる。「まさしく大混戦」と余裕の表情はない。

みんなの党新人、菊地文博氏(52)の陣営幹部は「脱原発も消費増税凍結もぶれずに主張しているのは我々だが、一見似た政策を主張する政党が次から次へと出てきている」と指摘。共産新人の福島一恵氏(52)の陣営は「10を超す政党が離合集散しているが、国民に90年間育てられ、まっすぐ来た」と、それぞれ他党との差別化を図る。

震災後2回目の年の瀬を迎えた被災地は復興住宅の建設が遅れ、農地の復旧も遅い。津波で自宅が流され、田畑が塩水につかり、仮設暮らしが続く横田一男さん(75)は「まずは住まいや農地の再建に十分な支援をしてほしい」と望み、候補者らの政策や実行力を見極めようとしている。

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