2019年2月21日(木)

婚外子の相続格差、国内外で批判 最高裁で弁論
秋にも結論

2013/7/10 21:51
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結婚していない男女間に生まれた婚外子(非嫡出子)の相続分を、法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定の合憲性が争われた2件の遺産分割審判の特別抗告審は10日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)で弁論を行い、結審した。結論は今秋にも示される。規定に対する国内外の批判の声は高まっており、関係者の間では「違憲判断が出る」との見方が強い。

この日は午前に東京都の男性(2001年7月死亡)、午後に和歌山県の男性(同11月死亡)の遺産分割事案を審理。ともに「非嫡出子の相続分は、嫡出子の2分の1とする」と規定した民法900条4号が問題になった。

大法廷で弁論に立った東京事案の婚外子の男性は「少年期や結婚を意識した時期には肩身の狭い思いをした。他の婚外子も同じ思いをしてきたはずだ」と強調。代理人弁護士も「自己に選択の余地や責任のないことで差別を受けるのは、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と訴えた。

嫡出子側は「最高裁が合憲判断を見直せば、既に確定した遺産分割が再審で覆されるなどの問題が生じる。国会での立法に委ねるべき問題だ」などと反論した。

民法の相続規定を巡る主な最高裁判断
判断を示した年月法廷裁判官の意見
「合憲」「違憲」
1995年7月大法廷10人5人
2000年1月第1小法廷4人1人
03年3月第2小法廷3人2人
第1小法廷3人2人
04年10月第1小法廷3人2人
09年9月第2小法廷3人1人

規定は明治時代の旧民法から設けられており、根底には法律婚を重視する考え方がある。

和歌山事案の婚外子側は「婚外子の出生数は増加傾向にあり、積極的に事実婚を選択する家庭が増えた結果だ」と指摘。法律婚の尊重という目的のために婚外子を差別することは「立法目的と手段の間の関連性を失っている」と批判する。

同種規定は1998年にドイツ、01年にフランスで廃止の法改正が行われるなどした結果、欧米各国には存在しない。主要先進国で残るのは日本だけとされ、90年代以降、国連から格差是正を繰り返し求められてきた。

こうした批判に対し、嫡出子側は「日本は諸外国に比べ事実婚はまだ少なく、看過しがたいほどの国民感情の変化もない」と主張している。

最高裁は95年の大法廷決定で、現行民法が法律婚主義を採用している以上、規定には合理的根拠があるとし、「立法府の合理的裁量を超えたとはいえない」として合憲判断した。その後の少なくとも5件の小法廷判断もこれを踏襲してきた。

だが、95年の大法廷決定以降の最高裁の判断では、常に一部の裁判官が「違憲」とする反対意見を述べている。大阪高裁が11年に規定を違憲とするなど、下級審では近年、違憲判断も相次いでいる。

国内で一時、法改正の機運が高まったことも。96年には法制審議会(法相の諮問機関)が民法改正案要綱を法相に答申した。しかし、与野党内に根強い反対意見があったことなどから、法案提出は見送られた。

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