東京電力福島第1原子力発電所の海側の井戸から放射性物質が検出されている問題で、原子力規制委員会は10日、「高濃度汚染水が地中に漏れ、海洋への拡散が強く疑われる」との見解を表明した。岸壁沿いの地中に薬液を注入して固める地盤改良や海側の遮水壁の工事を急ぐよう、東電に指示することを決めた。
規制委はまた、放射性物質が検出されている井戸近くの溝に高濃度の汚染水がたまっていることを指摘。汚染源の可能性があるとし、早期に抜き取り作業に着手するよう東電に促す。田中俊一委員長は「汚染源を明らかにするとともに、適切な対策をとってほしい。海洋生物など環境影響への評価も必要」などと述べた。
東電は10日、2号機タービン建屋と岸壁の間にある井戸で9日に採取した地下水から、セシウム134が1リットル当たり1万1千ベクレル(8日は9千ベクレル)、セシウム137が2万2千ベクレル(同1万8千ベクレル)検出されたと発表した。
井戸の近くには2011年4月に高濃度の放射性物質の漏洩があった作業用の穴がある。東電は当時の流出物が残っていると説明しているが、放射性物質濃度の上昇傾向が続く理由は不明。