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日本映画大が来春誕生へ 故今村昌平監督の「夢」

アジアの映画制作の拠点をつくりたい――。川崎市の専門学校「日本映画学校」が「日本映画大学」(仮称)に衣替えすることになった。同校を運営する学校法人神奈川映像学園が3月下旬、設立申請を文部科学省に提出。来年4月にも国内初となる映画専門の四年制大学が誕生する見通しだ。

「楢山節考」と「うなぎ」でカンヌ国際映画祭のパルムドール(最高賞)に2度輝いた映画監督で、2006年に亡くなった故今村昌平氏が35年前に前身の学校を開校。批評を通じてアジア映画の発掘や紹介に尽力してきた佐藤忠男校長は「アジアの若者を集めて映画の一大拠点にしたい。大学化は今村監督の夢でした」と意気込む。

現在は俳優科と映像科がある。日本アカデミー賞最優秀作品賞「フラガール」の李相日監督や米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた「おくりびと」の録音を担当した尾崎聡氏ら多数の映画人を輩出。学校の広報担当者は「多くの映画の末尾クレジットには卒業生が数十人いる」と話し、長年にわたり映画の制作現場を支えてきたことを誇る。

こうした実績から、国立の韓国フィルムアカデミーや中国の北京電影学院などから度々、交換留学などの提携を申し込まれた。しかし、専門学校では単位交換ができなかったり、奨学金が受けられなかったりして頓挫。佐藤校長は「大学ならば国を越えた講師や学生の交流をさらに活発化できる」とした。

構想段階のカリキュラムでは、映画制作のカメラ撮影のような実践的な技術だけではなく、国内外の文学や哲学などの原作を読み解くための教養や外国語の講座を充実。邦画や洋画の映画史も継続的に教える。

佐藤校長は「映画学の体系化も目指したい」と語る。カメラワークや編集などの専門家は蓄積した技術を文章にしていないことが多い。そこで、開校以来、教壇に立った映画監督や編集者らの講義録をまとめるという。

新大学は現在の定員1学年200人から「映像制作指導に専念する」として俳優科をなくし、定員140人になる予定。俳優育成の受け皿は今後検討する。

現在の川崎市麻生区にある校舎のほかに、約1.5キロ離れた小学校(同区)の跡地に新キャンパスを整備。映画撮影スタジオも新設する。〔共同〕

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