2018年1月22日(月)

障害者に虐待、防止法半年で1391件 家族らから
厚労省初調査

2013/11/11付
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 障害者虐待防止法が施行された昨年10月から今年3月末までに、全国の自治体に障害者への虐待に関する相談・通報が4199件あり、うち1391件が虐待だったことが11日、厚生労働省の調査で分かった。虐待の9割超は家族ら身近な人が加害者。通報などを受ける専門スタッフの確保などで自治体側の対応の遅れも目立つ。通報は「氷山の一角ではないか」といった指摘もある。

自治体は虐待防止の窓口を設けている(8日、東京都港区役所)

自治体は虐待防止の窓口を設けている(8日、東京都港区役所)

 防止法は虐待を受けた本人のほか、疑いがある事例を見つけた家族や関係者、近所の人などに通報を義務付けており、全ての都道府県と市区町村は窓口を設置している。

 今回は両親や兄弟ら「養護者」と福祉施設の職員らの虐待に関する初の全国調査で、今年6月に公表した職場の雇用主・上司による虐待の結果と合わせると、相談・通報は4502件、虐待と判断した事例は1524件に上る。

 相談窓口に寄せられた通報のうち約8割の3260件は養護者によるもので、うち1311件を虐待と認定。1329人が虐待を受け、被害者が死亡したケースも2件あった。加害者は1527人で、父母と兄弟姉妹が全体の6割超を占めた。

 一方、939件の通報があった福祉施設関連では80件が虐待と判断されたが、通報に占める認定数の割合は養護者の2割にとどまる。厚労省は「施設のサービスに不満を持つ人が『虐待ではないか』と通報するケースが多いが、事実確認の段階で関係者の協力を得られず、虐待かどうか判断できなかった例もあるのではないか」(障害福祉課)としている。

 虐待の種類(複数回答)は身体的虐待が836件と最も多く、怒鳴るといった心理的虐待(498件)、金銭を取り上げるなどの経済的虐待(363件)と続く。養護者、福祉施設ともに虐待を受けた人の約半数は知的障害者で、意思表示が難しい障害者が被害を受けやすい実態が浮かぶ。

 調査では障害者への虐待を防ぐための対応状況などについても尋ねた。防止法は社会福祉の知識や経験を持つ職員の確保を求めているが、市区町村で「実施済み」としたのは全体の28%、都道府県も55%にとどまった。虐待対応マニュアルの作成や警察との連携も遅れがちで、今後の体制強化が課題になりそうだ。

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