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レスリング女子明暗 吉田快勝で拳上げ・浜口初戦敗れぼうぜん

【ロンドン=小沢一郎】「女王」が日本の勢いをつないだ。ロンドン五輪女子レスリングは9日、3連覇を目指す55キロ級の吉田沙保里選手(29)が準決勝で因縁の相手を退け、銀メダル以上が確定。金メダル連発に沸いた前日に続き、観客席を沸かせた。一方、2大会連続銅メダルの72キロ級、浜口京子選手(34)はまさかの初戦敗退で、明暗が分かれた。

落ち着いた試合運びで勝ち上がった吉田選手の準決勝の相手は、今年5月に連勝記録を58で止められたロシアのワレリア・ジョロボワ選手。代名詞の「高速タックル」で第1ピリオドを制すと、五輪で初めてセコンドについた父の栄勝さん(60)がタオルを振って送る風を受け、第2ピリオドに向かった。

相手の一瞬の隙をついて攻め込み因縁の相手を退けると、右手の拳を握りしめ、この日、初めてのガッツポーズ。マットを下りた後も何度も拳を突き上げ、「レッツゴーサオリ」と声援を送って快進撃を後押しした応援団に応えた。

スタンド中央で祈るように手を胸の前で合わせていた母、幸代さん(57)はほっとしたように笑みを浮かべ、体を弾ませた。「夢人」「必勝」と書いたおそろいのオレンジ色のTシャツ姿の家族らと一緒に立ち上がり、吉田選手に手をたたいて喜びを分かち合った。

先月27日の開会式で日本選手団の旗手を務めた吉田選手。「旗手は活躍しない」というジンクスを知りつつ、あえて大役を引き受け、重圧を打ち破ろうとした。目指す三たびの頂点は目の前だ。

幸代さんは試合当日の9日朝も「自分を信じて」と携帯電話にメールを送った。吉田選手からは「一番、今までの中で緊張している。悔いの残らないようにしていきたい」との返事。決勝進出が決まり、幸代さんは「何でも一番が好きな子。最初から気合の入った表情で、セコンドの声も聞こえていて落ち着いてる。大丈夫」と、3連覇を信じて疑わなかった。

浜口選手は初戦でカザフスタンの選手と対戦。第3ピリオドの延長戦は攻撃権を手にする絶好のチャンス。相手の右足を持ち上げマットの端まで追い込んだところで応酬され、もつれ合って倒れ込んだ。勝利を確信しガッツポーズで立ち上がったが、結果は相手のポイント。日本の抗議でビデオ判定にもつれ込んだが覆らなかった。まさかの敗退にぼうぜんと立ち尽くした。

「気合だー!」と染め抜いた鉢巻きをつけた父親の平吾さん(64)も険しい表情。「なんて負け方をしたんだ」と何度もつぶやくと「コテンコテンにやられたらあれだけど……。悔しくて悔しくて情けない」と嘆いた。母、初枝さん(71)は苦しみながら3度目の五輪出場を果たした娘をいたわりつつ、断言した。「(引退宣言は)意地でも今はしないだろうね」

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