2019年2月20日(水)

与謝野晶子直筆の未発表短歌103首 岡山で発見

2013/1/9付
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与謝野晶子が詩人薄田泣菫に送った、未発表とみられる短歌が収められた直筆の原稿用紙=共同

与謝野晶子が詩人薄田泣菫に送った、未発表とみられる短歌が収められた直筆の原稿用紙=共同

街行けば涙ぐまるるおもひでの必ずわきぬまづしきがため――。歌人与謝野晶子直筆の短歌103首が収められた原稿用紙が岡山県倉敷市で9日までに見つかった。親交が深かった同市出身の詩人、薄田泣菫に新聞掲載用に送った作品で、うち16首は未発表とみられる。

就実短大(岡山市)の加藤美奈子准教授(日本近現代文学)らが、倉敷市に寄贈された泣菫の書簡類「薄田泣菫文庫」を調査し、発見した。加藤准教授は「晶子の考えがうかがえる生原稿で、近代文学の大変貴重な資料」としている。

短歌はB4サイズの原稿用紙12枚に黒インクのペンで記されていた。ルビがふられ、冒頭に「秋の薔薇」や「萱の葉」といった題名や「与謝野晶子」と署名が付されたものもあった。

未発表とみられる作品の一部
  • 砂踏むを燒けむとそしり網小屋の
      蔭をあゆめり物思ふ人

  • 物思ふ萱の葉などと並ぶ時
      今こし方のわれもうらめし

  • 髪よりも静かなるなし夕ぐれの
      山の色よりみづうみよりも

加藤准教授によると、103首は大阪毎日新聞に勤務していた泣菫に送られた大正期の作品とみられる。うち「街行けば――」など16首は新聞紙面や晶子の全集に掲載が確認できず、未発表とみられるという。

また、計15首をつづった2枚の原稿用紙には「紫影抄」と題名が付けられ、欄外に「一度にお載せ下さい」と朱筆で書き添えられていた。

加藤准教授は「短歌は配列も重要だ。紙面の都合で一部だけが掲載されないよう書き添えたのではないか」と分析している。〔共同〕

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