2019年8月26日(月)

紀伊半島豪雨1週間、生活復旧道半ば 電話なお不通

2011/9/9付
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台風12号による記録的豪雨の被害発生から9日で1週間。土砂災害が相次いだ奈良、和歌山両県の被災地では水道や電話などのライフラインが依然として復旧していない地域があり、住民の生活を苦しめている。「土砂ダム」決壊の恐れから避難指示は継続中で、住民らは「いつになったら安心して暮らせるのか」と不安と緊張の中での暮らしを余儀なくされている。

約3100戸が断水している和歌山県那智勝浦町。被害の大きかった同町市野々地区では浄水池に流れ込んだ土砂の片付けが進まず、復旧のメドは立っていない。同地区では9日、住民らが下水を流す側溝の土砂をスコップでかき出していた。知人の手伝いに来た同県田辺市の谷口清さん(61)は「側溝の土砂をすべて取り除くのは個人では限界があり、行政の支援が必要では」と訴える。

住民が最も困っているのはトイレの問題。「全面復旧は相当先になるのでは」と自営業の米川幸宏さん(39)は自宅の横に仮設トイレを設置。ある住民女性(63)は「トイレのたびに車で15分かかる避難所に行かなければならない」とこぼす。

同町では多くの世帯で固定電話が不通で、携帯電話が使えない地区も。同町井関地区で一人暮らしの下路ナルエさん(85)宅は床上浸水し携帯電話も壊れた。「天気予報も分からず、防災無線と地区長さんが教えてくれる情報だけが頼り」。

家屋への被害を受けた住民の避難生活が続く和歌山県や奈良県では、各自治体が仮設住宅の建設の検討を始めている。

和歌山県は被害の大きい新宮市や那智勝浦町などで2千戸以上分の敷地を確認。奈良県五條市も9日、土砂ダム決壊などに備えて避難中の住民約50人に仮設住宅建設について説明した。避難所にいる男性は「もう住むところがない。早く仮設に入りたい」と話す。

そのほかの各自治体も住民の希望を聞き、建設場所や戸数を決める方針だが、依然多くの道路が寸断され、建設用地が確保できるかなど課題もあり、曲折も予想される。

一方、国土交通省近畿地方整備局や両県は9日も引き続き、崩れた土砂が川をせき止めた土砂ダムの決壊を警戒。土砂ダムは12カ所で確認され、うち決壊の恐れがある奈良県五條市大塔町赤谷など4カ所で水位や状況の監視を続けている。

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