福島・双葉町が役場内部を公開 震災の爪痕色濃く
東京電力福島第1原子力発電所事故で全町避難が続く福島県双葉町は9日、同原発の北約3.5キロにある町役場内部を報道陣に公開した。書棚は横倒しになり、割れた湯飲みや書類、新聞紙が床に散乱したまま。2011年3月11日の東日本大震災や原発事故発生の当時の緊迫した状況がうかがわれた。
「タービン建屋内で放射線上昇」「格納容器圧力異常上昇」。2階の一角には職員が原発の状況を時系列で手書きした模造紙も残る。町原子力対策係長だった平岩邦弘さん(52)は「当初は原発が爆発するとは思ってもみなかった」と振り返った。
第1原発5、6号機が立地する同町の人口は約6400人。国は役場の南側一帯を汚染土などを一時保管する中間貯蔵施設の整備候補地にしている。