地中レーダーで不明者捜索 宮城・閖上地区
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東日本大震災の津波で壊滅的な被害が出た宮城県名取市閖上地区の浜辺で9日、東北大の佐藤源之教授(電波応用工学)と、仙台高等専門学校(仙台市)の園田潤准教授(電磁波工学)が計2台の地中レーダーを使い、行方不明者を捜索した。
園田准教授は「震災後、エンジニアとして何もできない無力感があった。何か手掛かりを見つけたい」と話しており、今後も捜索を続ける予定。
レーダーの一つは幅約30センチで、アンテナから地中に電磁波を送り反射波を解析、地中で異物を見つけると、パソコンに表示される波動に変化が生じるため異物の場所が特定できる。工事現場で地中の埋設管を特定する際などに使用されている。
この日は、ボランティア団体も駆けつけ計約10人が参加。レーダーで反応があった場所をスコップで掘り起こした。佐藤教授が遺跡発掘用に開発した幅約2メートルの大きなレーダーも使用した。
地中の異物全てを捉えるため、実験では木片やアイスクリームの空箱にも反応した。それでも、佐藤教授は「広い場所をやみくもにさがすよりは効率的だ」と話す。
遺族らが閖上地区の浜辺で不明者を捜索する報道を見た園田准教授が「砂浜は均質な土壌なので、異物があった場合の反応を見つけやすい」とレーダー利用を発案した。〔共同〕