気象庁、無人観測所にバッテリー874個放置 一部で水銀検出 - 日本経済新聞
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気象庁、無人観測所にバッテリー874個放置 一部で水銀検出

気象庁は8日、全国24道府県に設置されていた無人雨量観測所の跡地に、計874個のバッテリーが放置されていたと発表した。気象台の職員が交換する際に古いものを捨てたり、地中に埋めたりしていたとみられる。バッテリーの電極には水銀が使われており、兵庫県内の跡地からは、国の基準を超える水銀が検出された。今後、自治体などと協議し、土壌の汚染状況も調べる。

無人雨量観測所は、山岳地帯の降水量を観測するため全国に設置されたが、2010年に廃止された。近隣住民から「バッテリーが放置されている」との通報があったことから、気象庁は4月以降、全国523地点の観測所跡地を調査した。

その結果、6月末時点までに290地点中45地点でバッテリーが放置されていたことが判明。調査は今秋まで続ける。

同庁によると、バッテリーは「空気湿電池」と呼ばれるタイプ。1960年~80年代前半まで無人観測所の観測機器や無線装置の電源として使われていた。バッテリーの投棄は廃棄物処理法に抵触する可能性もあるといい、同庁観測部は「地域住民の方々など、ご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪した。

調査のきっかけは、兵庫県市川町の跡地の近隣住民からバッテリーが放置されているとの苦情があったこと。神戸地方気象台が調べると、68個のバッテリーが残されており、最大で国の基準の30倍を超える水銀が検出された。

兵庫県の別の4地点からは、基準値を超える水銀は検出されなかった。ほかの道府県の跡地については自治体や地権者と協議の上、水銀の調査を実施する方針という。

各跡地で発見された空気湿電池の数は1~84個。人が常駐できないような山中にあり、気象台の職員が現地で1年ごとに新品と交換することになっていた。重さが約3.5キロあり、1カ所の観測所におおむね7個のバッテリーが使われていた。1個の蓄電池に含まれる水銀は0.4~3cc。

気象庁は「重いので、そのまま置いてきたのではないか」と説明。「古い話なので放置した職員の特定はできない」としている。

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