野生ゴリラから新種のビフィズス菌 長寿解明に手がかり
京都大学の山極寿一教授や京都府立大学の牛田一成教授、ガボン熱帯生態研究所は8日、野生のゴリラから新種のビフィズス菌を見つけたと発表した。ビフィズス菌は腸内の善玉菌として知られ、ヒトや類人猿の長寿、食生活の変化を探る手がかりになる。
ガボンの熱帯雨林に生息するニシローランドゴリラ二十数頭の群れを2009年から4年かけて追跡し、回収したフンに含まれる菌を調べた。その中にビフィズス菌の新種が少なくとも1種、関連する亜種が2~3種あった。
ビフィズス菌は大腸で糖を分解して体内に吸収しやすくし、ほかの菌による腐敗を防止する役割も果たす。四十数種あるうち人からは10種が見つかっており、腸内細菌の数%を占めるほど数量が多い。
人やチンパンジー、ゴリラなど類人猿はサルに比べて寿命が長い。山極教授は「食べ物の消化を促す細菌と共生関係を築いたことが関係している可能性がある」と話している。
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