原発避難「サテライト校」の行方(震災取材ブログ)
@福島

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2012/11/16 7:00
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10月下旬、東京電力福島第1原子力発電所の事故後、「サテライト方式」で運営している福島県の県立高校3校を訪ねた。双葉、双葉翔陽、富岡の各高校だ。いずれも本来の校舎は福島第1原発の10キロ圏内にあり、現在は同県いわき市のいわき明星大学に間借りして授業を続けている。

双葉、双葉翔陽、富岡の各高校のサテライト校舎(福島県いわき市)

双葉、双葉翔陽、富岡の各高校のサテライト校舎(福島県いわき市)

3校はそれぞれ特色がある。双葉高(双葉町)は来年創立90周年を迎える普通科の伝統校。野球部は過去3度、甲子園の土を踏んでいる。双葉翔陽高(大熊町)は農業高校を前身とする総合高校で、進学にも就職にも対応できる多彩な選択科目群が売りだ。富岡高(富岡町)は6年前に普通科からサッカー、ゴルフなどのスポーツ選手や国際人を育てる「国際・スポーツ科」に転換。介護人材を育成するコースもある。

この3校が今、いわき明星大学内の3階建て校舎2棟に同居している。3校合計の生徒数は326人。原発事故後、減少したとはいえ校舎の面積や設備は明らかに足りない。

双葉高では入試の過去問題集など、一般の高校なら進路指導室に置くような資料をやむをえず廊下の机の上に並べていた。理科室や家庭科室はなく、調理実習などは別の高校に移動して行っている。4割の生徒が併設の宿泊施設から通っており、週末は親元に戻るため、進学希望者が多いのに土曜授業を行えないことも悩みだ。

双葉翔陽高は実習施設の確保に腐心している。地元の有限会社などの協力を得て10キロ離れたところに農場を確保したほか、渡辺譲治校長(53)の知人が経営する造園会社が偶然、いわき明星大内の植栽の剪定(せんてい)を手がけていたことから、生徒の園芸実習を受け入れてもらった。富岡高も外国人の指導助手によるフランス語の授業を続けるなど、震災前からの特色の維持に懸命だ。

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