2019年9月23日(月)

法務省勉強会、可視化の制度化明示

2011/8/8付
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容疑者らの取り調べの録音・録画(可視化)の在り方を検討している法務省の勉強会は8日、「冤罪(えんざい)防止のために有効」などとして、可視化の制度化を目指すとの報告書をまとめた。可視化は、裁判員裁判対象事件や特捜事件などで試行しているが、法務省が制度化の方針を明示したのは初めて。

ただ、全ての事件や取り調べ全過程の可視化を「一律に義務付ける制度は適当でない」と指摘。対象範囲は、刑事司法全般の見直しを進めている法制審議会(法相の諮問機関)特別部会の議論に委ねるとした。

報告書は、可視化の効果として冤罪防止のほか、「取り調べ状況を客観的に記録し、公判で自白の任意性を巡る争いが生じた場合、的確な判断を可能にする」ことを挙げた。

対象は「できる限り広い範囲」としたが、容疑者が真実を話すことをためらうなど「取り調べ機能に障害が生じる具体的な恐れがある」とも指摘。全過程を録音・録画するコストや全てを視聴する負担も無視できないとして、全面可視化には否定的な判断を示した。

具体的には、裁判員裁判対象事件で逮捕された容疑者について実施する「必要性が特に高い」と指摘。既に検察が試行している特捜部などの独自捜査事件や容疑者が知的障害者の事件の可視化の在り方については「試行の検証結果を踏まえて検討すべきだ」とした。

法制審特別部会では「無理な自白への抑止効果は確かで、全過程を録音・録画するのが最も望ましい」(井上正仁東京大教授)などと複数の委員が全面可視化の必要性に言及。可視化の具体的な範囲を巡る議論が一段と活発化しそうだ。

報告書によると、今年5月末までの1年間に、全国の地検で実施された取り調べの録音・録画回数は、裁判員裁判対象の1583事件で計1802回。容疑者が拒否するなどした207件は実施されなかった。

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