2018年4月22日(日)

原爆目撃で「心理的被曝」 半世紀後も精神疾患の恐れ

2012/8/8付
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 1945年8月9日の長崎原爆で、健康被害が出るほどの放射線被曝(ひばく)はないと国がしている地域で原爆を目撃した人の多くは、半世紀を経ても精神疾患の危険性が高いとの調査結果を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)のチームが8日までにまとめた。

 目に見えない放射性物質への不安による「心理的被曝」と位置付け、その状態が長期間続く現状を示した。

 チームは、鬱病など心に問題を抱える傾向があるかどうかを調べる目的で2001年に長崎県で実施した調査をあらためて検証した。調査対象は長崎市内の爆心地から半径12キロ圏内に住み、爆音や光を経験したものの、放射線による身体への健康被害はなかったとされる地域の約350人。

 「いらいらして怒りっぽいか」「自分は役に立たないと考えたことはないか」といった質問への回答から、精神疾患の危険性が高い人は約75%に上ると判明した。原爆投下の5~15年後に同じ地域に移住してきた約280人では約40%だった。

 また性別や年齢、学歴などでは精神状態に違いが見られなかった一方、「爆発の光と放射線は別のもの」「放射線は時間の経過とともに弱まる」といった正しい科学的知識が乏しいことと、精神疾患の危険性と関連があることも分かった。

 東京電力福島第1原発事故では低線量被曝による健康被害が懸念されているが、たとえ被曝がないとしても手厚い心のケアが求められそうだ。〔共同〕

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