2018年9月23日(日)

小沢氏元秘書初公判・弁護側の冒頭陳述要旨

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2011/2/7 19:52
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 元秘書、石川知裕衆院議員の弁護側の冒頭陳述要旨は次の通り。

 【4億円の不記載】

 2004年分政治資金収支報告書には収入と記載しなかったが、借入金として「10月29日、金4億円、小澤一郎」と記載し、不記載の事実は存在しない。

 04年9月、小沢元代表の秘書たちの寮を建設する候補用地が見つかり、関連政治団体の資金を集めれば土地は買い取れるものの運転資金が枯渇する見込みだったため、結果的に元代表の手持ち資金を陸山会に貸し付けた。元代表から交付された4億円を複数の口座に分散入金したのは、大金を持ち込み銀行員からマネーロンダリングなどの観点で質問を受けることを避けるため。また、1人で持ち運べる札束が5千万円程度だったため。

 元代表から「個人資産だから間違いなく返済するように」と念押しされ、4億円を他の資金と混同しないよう、同額を銀行の定期預金の形で固定化し、融資の返済完了時に預金を取り崩す方法を着想した。

 10月29日の土地代金決済日には、土地の資金と定期預金用に合計7億数千万円を用意する必要があり、関連政治団体の資金を振り替えるなどして集中させた。同日午前、土地代金が不動産業者の口座に振り込まれ、その後、陸山会名義の定期預金4億円が設定され、これを担保とした形式で借り入れた同額が元代表の口座から陸山会の口座に振り替えられた。

 【寄付不記載】

 民主党岩手県第4区総支部と小沢一郎政経研究会からの計1億4500万円を報告書に記載しなかったが、これは寄付と評価されるべきものでなく、単なる一時的な仮払い仮受けにすぎないため。7億円以上の資金を集中させた際の資金移動の一部で、5団体の預金通帳、印鑑を管理していた石川議員にすれば、上着の左ポケットから右ポケットに移しかえた程度の意識だった。各団体の口座に一部払い戻しがないのは、衆院選出馬や事務の引き継ぎ作業などで多忙だったため。

 【土地取得代支出の不記載】

 04年分報告書が発表される05年9月ごろは、民主党代表選で元代表が立候補する可能性が高いと予想し、マスコミが高額な土地取得で騒ぐ恐れがあると危惧した。仮登記だけして本登記を先延ばしにする方法を司法書士に教えられ、報告書への支出の記載もその時でよいと判断した。

 【隠蔽意思の有無】

 4億円はゼネコンなどからの裏金的存在と検察官は主張するが、具体的な証拠は全くない。5千万円を交付したという水谷建設社長の調書も信用性がない。仮登記でも一般の閲覧に供され、登記の先延ばし期間はわずか3カ月。報告書の借入先に「小沢一郎」と記載したこと自体、隠蔽目的がなかったことを物語る。

 【大久保元秘書との共謀】

 大久保隆規元秘書は形式的な会計責任者。経理事務一般は石川議員が行っていた。元代表から陸山会への4億円貸し付けなどの事実関係を大久保元秘書は知らなかったはずで、石川議員からも報告をしていない。

 【調書の真実性】

 取り調べ担当検察官から「特捜部は何でもできる。恐ろしい組織で大変なことになってしまう」と言われて恐怖感を抱き、否認を続けていた収入の一部の不記載について故意を認める調書に署名してしまった。

 取り調べは連日深夜に及び、検察側が独自に創作したストーリーに沿うよう執拗に迫った。自供しなければ別件で立件する可能性があるとどう喝された。また、幼児を抱える女性秘書が午後11時まで長時間の取り調べを受け、保育園への電話もかけさせてもらえなかった状況を弁護士から聞き、恐怖感、絶望感から調書に署名した。

 保釈後の取り調べでも、検察官は勾留中の調書の記載内容を維持しなければ元代表の検察審査会での判断に悪影響が出るなどと、不相当な利益誘導をした。

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