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秋葉原殺傷から6年、映画製作「事件再考を」 学生が監督

8日で発生から6年になる東京・秋葉原の無差別殺傷事件を題材に、日本映画大(川崎市)の学生がドキュメンタリー映画の製作に取り組んでいる。監督の大引勇人さん(26)は1年以上、被害者の湯浅洋さん(60)を取材。「風化が進む中、もう一度事件を考えたい」と意気込んでいる。

「自分と似ているようで嫌悪感があった」。事件は2008年6月8日に発生。大引さんは自宅でニュースを見て知った。テレビには後に死刑判決を受けた加藤智大被告(31)が映っていた。

大引さんは当時、進学のため名古屋市の実家から上京したばかり。周囲になじめず、人とのつながりが持てなかった。やがて、通っていた私立大を自主退学した。

事件の背景には社会からの孤立があったとされる。加藤被告の著書を読んだ大引さんは「孤立の切実さ、誰ともつながっていない乾いた感じは自分にも分かる気がした」と語る。

昨年、事件から5年を迎えた日、現場を訪れた湯浅さんにカメラを向ける学生たちの姿があった。大引さんは事件を起こした時の加藤被告と同じ25歳。映画大の卒業製作に秋葉原事件を取り上げることに決めていた。

取材を申し込んだのはその3カ月ほど前。ナイフで刺され、一時は意識不明に陥った湯浅さんが加藤被告に手紙を出し続けていることを知り、関心を持った。

湯浅さんの元には20回以上通った。時には酒を酌み交わし、たわいない話で盛り上がることも。被告への憤りより「被害者も加害者もなくすために、なぜ事件が起きたのか知りたい」との思いが強いことが分かった。

一方、手紙に返信はなく、面会も断られ、加藤被告とつながりを持とうとしても果たせない現実を知った。それでもあきらめない湯浅さんの姿に、大引さんは「希望を感じる」という。

撮影担当の伊藤僚太郎さん(22)、録音担当の白沢文晴さん(22)とともに、青森県や静岡県など加藤被告が暮らした場所でもカメラを回している。9月に完成予定の映画を湯浅さんも楽しみに待つ。「若い人たちの一生懸命な姿を見るとうれしくなる。彼らが将来をつくっていくのだから」〔共同〕

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