2019年6月19日(水)

猛禽類に難燃剤蓄積 オオタカなど、繁殖に影響も

2010/8/7付
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テレビ、パソコンなどの電気製品や繊維製品を燃えにくくするのに広く使われるが、環境汚染の原因にもなる臭素系難燃剤が、国内のオオタカやハヤブサなど、絶滅が心配される猛禽(もうきん)類の体内に高濃度で蓄積している例があることを、愛媛大と栃木県立博物館のグループが7日までに突き止めた。

環境中に出た難燃剤が食物連鎖を通じ、猛禽類に蓄積したらしい。グループは「ひなのふ化率低下など、悪影響が出る可能性が懸念される」と指摘している。

調査対象は、難燃剤として国内外で広く使われているポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)やヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)など。栃木県内で、車にはねられるなどして死んで回収された猛禽類9種計47羽について、胸の筋肉と肝臓内の濃度を分析。すべての鳥からPBDEを検出した。

汚染が最も深刻だったのはオオタカで、肝臓からは脂肪1グラム当たり最高4万8千ナノ(ナノは10億分の1)グラム、平均同7400ナノグラムのPBDEを、HBCDは、最高同5200ナノグラム、平均同880ナノグラムを検出した。

ハヤブサは1例だけだったが、胸筋から同2300ナノグラム、肝臓から同千ナノグラムのPBDEが検出された。

鳥の場合、PBDEは卵の中の濃度が脂肪1グラム当たり千ナノグラムを超えると、ふ化率が低下したり卵の殻が薄くなったりする影響が出るとされており、オオタカやハヤブサではこの値を超えると予想されるという。

愛媛大沿岸環境科学研究センターの田辺信介教授は「日本の猛禽類の難燃剤による汚染実態はほとんど分かっていなかったが、種によってはかなり深刻なことが分かった」と話している。〔共同〕

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