イネの葉遺伝子の働き、気象データで予測 農業生物資源研
農業生物資源研究所は7日までに、田植えをしてからイネが実るまで、葉に関するほぼすべての遺伝子の働き具合を予測するシステムを開発したと発表した。
1日分の気象データと田植え後の日数、時刻を入力すれば、遺伝子がどの程度働いているかがわかる。肥料や農薬の散布時期を最適化して、米の収穫量の増加につながると期待される。
2008年に茨城県つくば市内の水田で日本晴という品種の米を育てた。田植え直後からイネが実るまでの期間に461枚の葉のサンプルを分析。気温や湿度、風量などの気象データと田植え後の日数、時刻をもとに大型コンピューターで解析し、遺伝子の働き方のルールを計算して予測システムを開発した。
09年に108枚の葉を採取し、遺伝子1万7193種類の働き具合を実測したところ、予測した数値とほぼ一致した。特定の遺伝子の働き具合がわかれば、開花時期を予測して肥料を与える適切な時期を知ることが可能になる。