身勝手な人敬遠、サルにも「感情で判断する」能力
京大チーム、人以外で初確認

2013/3/6付
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人の遠縁にあたるフサオマキザルは、自分とは利害関係がない第三者同士のやりとりを見て、身勝手な行動をする他者を嫌って避けるなど、感情的な評価をする能力があることを京都大の藤田和生教授のチームが解明し、5日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。

■他者を感情的に評価する能力備える

チームによると、他者を感情的に評価する能力が人以外で示されたのは初めて。このサルは、人につながる系統から3500万年以上前に枝分かれした広鼻猿類。人に特有と考えられてきた能力が、より初期の霊長類にも備わっていることを示す成果としている。

チームは、利害関係のない他人の行動を見た場合でも好感や怒りを抱く、人間のような複雑な感情を動物も持つのかを研究。他者が自分の食べ物をとるのを許すなど性格が寛容で、協力的な社会をつくるフサオマキザルを使って調べた。

実験では、ふた付きの容器からおもちゃを取り出そうとする人が別の人に助けを求め、助ける演技と、横を向いて助けを拒否する演技をサルに見せた。

それぞれの演技後、助けた人と、拒否した人が手に食べ物を載せ、サルが受け取る回数を7匹で計約1000回調べた。

すると、助けた人からは約50%の割合で受け取ったが、拒否した人からは約44%と、受け取り回数が減った。チームは、サルが他者を見て嫌悪したためだとみている。

藤田教授は「今後は、人が公正な人物に好感を抱くようなポジティブな感情が見られるのか調べたい」と話している。

▼フサオマキザル 体長約40センチで、南米のアマゾン川流域の熱帯雨林に生息する。樹上生活をし、積極的に他者に食べ物をあげたり、他者がしてくれた協力に、おいしい食べ物でお返しをしたりするなど、寛容で協力的な社会を形成する。霊長類の中でチンパンジーとともに道具を使う能力が際立っており、石を使ってヤシの実を割る行動が知られている。手先が器用で表情が豊か。学習能力も高いことから、米国では、身体障害者の生活を支える「介助ザル」として飼われている。〔共同〕

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