弟殺害容疑、68歳男を逮捕 愛知県警、司法解剖せず
愛知県犬山市の駐車場で2008年、炭を燃やしたコンロを車内に放置し、弟を殺害したとして、愛知県警犬山署捜査本部は5日、富山県射水市草岡町2の無職で兄、山本勉容疑者(68)を殺人容疑で逮捕した。勉容疑者は弟の満さん(当時61)の生命保険金約600万円を受け取っており、県警は保険金目的で殺害したとみて、調べている。
同署が検視を行ったが、勉容疑者の説明などから「事件性なし」と判断。司法解剖は実施されなかった。県警の宇佐美孝一・捜査1課長は事件発生当時の初動捜査について「不適切な面があったと言わざるを得ない」としている。
逮捕容疑は08年1月3日夜、釣りに来ていた犬山市喜六屋敷の入鹿池近くの駐車場で、自分のワンボックス車に豆炭を燃やしたコンロを放置。酒を飲んで眠った満さんを、密閉状態にした車内で一酸化炭素中毒死させた疑い。
捜査本部によると、勉容疑者は容疑を否認。満さんについては「日本酒7合を飲んでいた」と供述しているという。
捜査本部によると、満さんは05年から07年にかけ、生命保険などに加入。勉容疑者は満さんの死後、死亡保険金約600万円を受領した。一方、傷害保険の支払いを損害保険会社が拒否。このため、傷害保険の保険金約2000万円の支払いを求め、損保会社を提訴したが、昨年棄却され、確定した。
勉容疑者は飲食店経営で07年末時点で約1千万円の借金があったという。
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