黒部ダム、完成50年 殉職171人の慰霊祭開く

2013/6/5付
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経済成長期の電力需要に応えるため巨額の資金を投じ、建設された日本の代表的ダムの一つ、黒部ダム(富山県立山町)が5日、完成から50年を迎えた。電力供給の主役は火力や原子力に移ったが、東京電力福島第1原発事故後に再生可能エネルギーとしての水力が見直される中、その歴史と役割に再び関心が集まりそうだ。

「世紀の難工事」となった建設工事では作業員ら171人が殉職。技師らの苦闘を描いた映画「黒部の太陽」が昨年再上映され、話題となった。

作業員らの慰霊祭は同日午後、敷地内の慰霊碑前で開かれた。

黒部ダムは、北アルプスの立山連峰と後立山連峰の間の黒部峡谷を流れる黒部川をせき止め、つくられたアーチ式のダム。幅492メートル、高さは日本最大の186メートル。総貯水量は約2億トンで、関西電力の黒部川第4発電所から、最大出力33万5千キロワットの電力を関西方面に供給している。

延べ1千万人を動員した工事では、資材などを輸送するためのトンネル掘削中に、出水が絶えない軟弱な地層「破砕帯」が見つかり、最大の難所となった。約80メートルを掘り進め、貫通するまでに7カ月を要し、「黒部の太陽」はこの際のトンネル技師らのストーリーだ。

経済成長を担った水力発電だったが、総発電量に占める割合はその後、低下の一途をたどり、新規のダム建設では、環境への負荷や大規模公共事業としての妥当性も厳しく問われるようになった。〔共同〕

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