2019年2月19日(火)

海賊版抑止へ電子出版権を 文化審が中間報告

2013/9/5付
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文化審議会の小委員会は5日、インターネット上で電子書籍の海賊版が出回った場合、作家など著作権者だけでなく、出版社も裁判で差し止めを請求できる「電子出版権」の創設を求める中間報告をまとめた。著作権者と独占契約を結ぶことが条件で、出版社は第三者に電子書籍の再出版を許諾する権利(サブライセンス)も付与される。一方で、出版元には紙の出版物と同様、電子書籍の出版義務を課した。

文化庁は近くパブリックコメントを募り、来年の通常国会にも著作権法改正案を提出する。法改正が実現すれば、海賊版に対する抑止効果が期待でき、電子書籍の普及に弾みがつきそうだ。

出版権は出版社が著作権者との契約に基づき、書籍を独占的に発行できる権利。出版社は出版義務を負う代わりに、海賊版を発行した第三者を相手取り、差し止め請求訴訟を起こせる。

だが、現行法は紙の出版物が前提で電子書籍は対象外。ネット上で電子書籍の海賊版が横行しても出版社に訴訟を起こす権利がないため、電子書籍の普及を妨げる要因となっていた。

中間報告は、電子書籍市場の健全な発展や海賊版対策の観点から、新たに電子出版権の整備の必要性を指摘。電子出版権を獲得できるのは紙の出版物を発行する出版社に限らず、「著作物を電子書籍として電子出版することを引き受けるもの」と幅広く認めた。

電子出版権を得た出版社には、電子書店など第三者に電子書籍出版を許諾する権利(サブライセンス)を付与することも認めた。一方で、現行法が紙の出版物に規定している出版義務と同じく、原稿などの引き渡しを受けてから6カ月以内を目安に出版する義務を課した。

電子出版権の存続期間は著作権者との契約に定めがない場合、「最初の出版から一定期間を経過した後に消滅する」とした。紙の出版権では3年とされている。

さらに権利の所在を明確にするため、電子出版権の登録制度の整備が適当とした。

電子書籍を巡っては、海賊版の急増に伴い、米国などに比べ普及の遅れが指摘されており、関係業界から電子出版権の創設を求める声が上がっていた。法改正が実現すればネット上に配信されている違法な電子書籍の流通を抑止できるほか、著作権者の保護につながると期待されている。

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