県に「主体性持ち交渉を」 中間貯蔵施設めぐり福島8町村
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除染によって発生する放射性物質で汚染された土壌などを保管する中間貯蔵施設をめぐり、国が東京電力福島第1原発を抱える福島県双葉郡内への設置を要請したのを受け、同郡8町村の首長らは5日、県庁で佐藤雄平知事と会談し「大きな問題で荷が重い。県も主体性を持ち一心同体で(国との交渉に)取り組み、事務局を引き受けてほしい」などと求めた。
知事は「汚染土壌がどのぐらいの量になるかなど、さまざまな論点整理が必要だ。協議会を開き、みなさんと対応していく」と応じ、8町村と協議を重ねて意見集約していくことを確認した。
大熊町とともに第1原発を抱え、町内への中間貯蔵施設設置に反発している双葉町の井戸川克隆町長は会談後の取材に「なぜ(候補地を線量の高い地域に)決めつけてしまうのか、不満だ」と国の姿勢をあらためて批判。県には「公平公正に意見集約してほしい」とくぎを刺した。
ただ、福島第2原発がある楢葉町の草野孝町長は「原発の近くに造るほかない」と郡内の設置に一定の理解を示すなど、8町村の間で温度差が大きいことも表面化した。
細野豪志環境相は昨年12月28日、国が高線量地域の土地を買い上げるなどして中間貯蔵施設を設置したいとの意向を地元に伝え、協力を求めていた。〔共同〕