抗うつ剤で神経細胞増加 大脳皮質損傷治療に道

2013/1/6付
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藤田保健衛生大総合医科学研究所(愛知県豊明市)の宮川剛教授(神経科学)らの研究チームは、マウスの正常な成体の大脳皮質に抗うつ剤を投与し、周囲の神経細胞の活動を抑える「抑制性神経細胞」を増やすことに成功したと、米科学誌電子版に発表した。

宮川教授は「抑制性神経細胞の数が減少するとされるうつ病などの精神疾患をはじめ、大脳皮質の損傷に対する治療や予防法の開発、創薬が期待できる」と話している。

研究チームによると、これまでの研究で、正常な成体には神経細胞を生み出す「神経前駆細胞」が存在し、神経細胞を新たに生み出すことはないとされてきた。しかし脳虚血などで脳が障害を受けると、神経細胞が過度に興奮して細胞死を引き起こす一方、抑制性神経細胞を生み出すことが分かっていた。

実験で、チームはマウスに抗うつ剤「フルオキセチン」を3週間投与。生理食塩水を投与したマウスと比較すると、前駆細胞は大脳皮質のほぼ全ての領域で増加。前駆細胞が生み出した神経細胞の8割は抑制性神経細胞で、生理食塩水を投与したマウスに比べ19倍増加した。

さらに、チームは新しくできた抑制性神経細胞が、脳虚血によって起きる細胞死を抑える働きを持つことも、実験で明らかにしたとしている。〔共同〕

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