婚外子の相続差別「違憲」 大阪高裁、意識の多様化指摘
結婚していない男女間の子(非嫡出子)の相続分を、法律上の夫婦の子(嫡出子)の2分の1とする民法の規定を巡り、大阪高裁が、法の下の平等を定めた憲法に反するとして、非嫡出子に同等の相続を認める決定をしていたことが分かった。決定は8月24日付。嫡出子側は特別抗告せず、決定は確定している。
この問題を巡っては、最高裁が遺産分割を巡る1995年特別抗告審の決定で、この非嫡出子の相続に関する規定を「合憲」と判示。2010年7月にも同種の相続事件の特別抗告審が最高裁大法廷に回付されたが、当事者間で和解が成立し、憲法判断は示されなかった。
今回の違憲判断が出たのは、08年末に亡くなった男性の遺産分割を巡る家事審判の抗告審。非嫡出子1人と嫡出子3人の配分が争点となり、大阪家裁は民法の規定を合憲として相続分を決定、非嫡出子側が抗告していた。
決定理由で赤西芳文裁判長は、95年の最高裁決定以後、家族生活や親子関係の実態は変化し、国民意識も多様化していると指摘。その上で「相続が開始した08年末時点で非嫡出子と嫡出子の区別を放置することは、立法に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えている」と結論づけた。