2019年7月17日(水)

ノーベル賞受賞のスタインマン氏、既に死去と判明
生理学・医学賞、米のボイトラー氏ら3氏と発表

2011/10/3付
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【パリ=古谷茂久】スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2011年のノーベル生理学・医学賞を、人間や動物の体で働く免疫の働きに関する研究成果を上げた3人に贈ると発表した。このうち米ロックフェラー大学のラルフ・スタインマン教授(68)について、同研究所の発表後に大学側が「9月30日に死去した」と発表。ノーベル賞は存命中の研究者への授賞が原則で、今回のケースは極めて異例だ。

他の2人は米スクリプス研究所のブルース・ボイトラー教授(53)、フランス・分子細胞生物学研究所のジュール・ホフマン前所長(70)。

授賞式は12月10日にスウェーデンのストックホルムで開く。賞金1000万クローナ(約1億1200万円)は半分はスタインマン氏、残りをボイトラー氏とホフマン氏で分けるとされた。

免疫は体に入り込んだ異物を認識して排除する仕組み。人間はこのシステムによって様々な病原体などから体を守っている。ホフマン氏はハエ、ボイトラー氏はネズミを使い、異物が侵入した際に最初に攻撃を仕掛ける「自然免疫」の仕組みを解明した。

自然免疫には異物を感知する特定のたんぱく質が関わっており、実験的にこのたんぱく質を失わせたハエはカビなどに感染してしまうことが分かった。自然免疫は人体では本格的な免疫系が働き始まる前にまず敵を短期攻撃する仕組みとして機能しているとみられる。人間で初めて自然免疫の働きを明らかにした研究者としては、大阪大の審良(あきら)静男教授が知られる。

一方、スタインマン氏は免疫に関わる様々な細胞の中でも重要な役割を果たす「樹状細胞」を発見した。同細胞は外部から侵入した細菌などを探し出して特定し、免疫機能を担う別の細胞にその情報を伝える。これによって特定の侵入者を殺すための、複雑で強力な免疫の仕組みが作動することを解明した。

免疫は自分の体を異物と間違えて攻撃することもあり、アレルギー症やリウマチなど様々な病気の原因にもなっている。3氏の成果は感染症やがん、炎症の治療などに応用されている。

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