柔道部事故、顧問に過失 東京高裁、学校に賠償命令
横浜商科大高校(横浜市)柔道部の練習中の事故で重度の障害が残った元部員の男性と家族が、学校側に約2億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(難波孝一裁判長)は3日、「練習方法を十分に指導していれば回避できた」と顧問の過失責任を認め、計約1億8700万円の支払いを命じた。
一審・横浜地裁判決は学校側の過失を否定し、原告側請求を棄却していた。
判決によると、男性は2008年4月に入学して柔道部に入部。それまで柔道の経験はなかったが、5月3日、神奈川県大会の試合前の練習で、顧問が目を離している間に大将を務める同級生に投げられ、倒れて病院へ搬送された。
手術の結果、同級生に投げられて静脈が断裂し急性硬膜下血腫を引き起こしたと診断された。男性は後遺症があり、意識障害で常に介護が必要な状態という。
高裁の難波裁判長は「男性は初心者で技量は未熟。顧問は男性が練習でけがを負うことを予測できた」と指摘し、練習に加わることを見逃した過失があったと判断した。
学校側は「判決の詳細が分からず、コメントできない」としている。〔共同〕
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