自治体公共施設、1万2000棟の解体検討 費用4000億円
人口減少や老朽化を受け、地方自治体が解体・撤去を検討している公営住宅や学校などの公共施設が全国に1万2251棟あることが3日、総務省の調べで分かった。全てを解体した場合、総額で4039億円の費用が必要と見積もっており、住民には大きな負担となる。ただ、維持しても管理費がかさみ続けるため、各地で施設存廃の議論が活発になりそうだ。
公共施設の解体に限定した調査は初めて。9月1日現在で検討中の施設の集計で、ほぼ全ての都道府県と市区町村が回答した。同じ場所で建て替える場合などは含まず、完全に取り除くものを対象とした。
総数の45%は現在も使用中。47%は既に使われておらず、閉鎖後に放置されているものも含まれる。施設の内訳は公営住宅の23%が最多で、学校や体育館といった教育関係施設の19%が続いた。
施設の平均築年数は41年。解体予定時期は「今後1~2年」との回答が32%を占めた。「時期未定」は41%だった。
自治体を支援するため、総務省は2014年度から地方債(借金)を発行して解体費用を賄うことを特例的に認める方針を固めている。〔共同〕