福島第1の汚染水、港湾外に流出 傾いたタンクの天板から漏れ
東京電力は3日、福島第1原子力発電所の地上タンクから新たに高濃度汚染水が漏れた問題で、タンクから漏れた水が、排水溝を通じて港湾外に流出した可能性があるとの見解を示した。港湾外の海水からは放射性物質は検出されなかったと発表、大量の海水で薄まったとみられる。
東電はタンクからせきの外に漏れた汚染水の量を430リットルと推定。タンク付近の排水溝は港湾外につながっているため、東電は「汚染水が海(港湾外)に流出した可能性がある」としている。東電は今後の流出を防ぐため、排水溝手前の側溝に土のうを設置した。
東電が3日午前7時に港湾外の南放水口付近で採取した海水を分析したところ、ストロンチウム90などの放射性物質の濃度は検出限界(1リットルあたり20ベクレル)を下回っていたという。
汚染水が漏れたのは「B南」と呼ぶエリアにあるタンクで、8月に約300トンが漏れたタンクとは別。
2日の台風でタンク周囲のせき内に雨水がたまり、同日朝から昼にかけ、タンクが満水になるまで雨水をくみ上げたが、タンクが傾いていたため天板から水が漏れた。作業員が漏れに気づいたのは同日午後8時ごろといい、作業開始当初から汚染水が漏れていた可能性がある。
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