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体張り9歳の娘守った父が凍死 風雪猛威、命奪う

想像を超える暴風雪の猛威が家族の命を次々と奪った。北海道中標津町で母子4人が車内に閉じ込められ、湧別町では寒さから守るように父親が娘に覆いかぶさったまま力尽きた。「もう少し早ければ」。救出に当たった隊員は唇をかんだ。

「車が雪に埋もれ、人が中に閉じ込められている」。2日夜、4人が閉じ込められた中標津町の現場近くの人から119番があった。中標津消防署によると、隊員18人が救急車や指揮車に分乗し、署を飛び出した。

現場まで約11キロ。猛吹雪で視界はなく、除雪車の先導で向かった。通報から到着まで約2時間。隊員の一人は「30年やっているが、こんな雪と風は初めてだ」と話した。

現場周辺は2~4メートルの雪に埋もれ、隊員はスコップで掘り進んだ。車内に宮下加津世さん(40)と子供の姿があったが、心肺停止の状態。病院で死亡が確認された。

宮下さん方の近所に住む酪農業の女性(59)は「加津世さんは私が1カ月ほど入院したとき、代わりに犬の散歩をしてくれる親切で明るい人だった。子供たちもあいさつをするいい子だった」と声を落とした。

湧別町の農業用倉庫前では、2日夜から車を残し、行方不明になっていた近くの漁師、岡田幹男さん(53)と長女の夏音さん(9)が倒れているのが見つかった。岡田さんは倉庫の扉と自分との間にスペースを作って夏音さんを入れ、覆いかぶさっていた。

夏音さんは問い掛けに泣き声を上げたが、岡田さんは搬送先の病院で死亡が確認された。凍死だった。捜索を指揮した遠軽署幹部は「風雪から娘をかばったのだろうか」とつぶやいた。

3日の夜明けから始まった捜索。「どこかの建物に避難していてほしい」。遠軽署員らは祈るような気持ちで周囲に点在する住宅や牧場を徒歩で回った。途中、車体が雪に埋まり乗り捨てられた車を何台も見かけた。〔共同〕

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