読み聞かせ、デジタル絵本で教育効果 京大チーム
京都大の正高信男教授らは2日、画面で文字が赤く彩られる機能が付いたデジタル式の絵本を使って幼児に読み聞かせをすると、ひらがなを覚える能力が高まったとの実験結果を発表した。紙の絵本よりもよく覚えられた。文字を覚えるのが難しい学習障害を持つ子供の教育などに役立つ可能性があるとみている。
実験では読めるひらがなが平均で16文字程度の4歳男児を、15人ずつ2つのグループに分けた。一方はタブレット(多機能携帯端末)の画面に映すデジタル絵本で、読み上げる音声に合わせて文字を1つずつ赤色に変えて表示。もう一方は紙の絵本を母親が読み聞かせをした。どちらも1日2回、6日間実施した。
デジタル絵本のグループは平均で3文字多く読めるようになったが、紙のグループはほとんど変わらなかった。研究チームは「デジタル絵本では、子供が音と文字の対応を理解してひらがなを覚える効果が出た」とみている。