チリ、望遠鏡の名前に「モリタ」 強盗事件で倒れた教授

2013/5/2付
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南米チリ・アンデス山脈に20の国と地域が参加して建設した「アルマ望遠鏡」のアンテナ群の一部に、完成を前にチリで強盗事件に巻き込まれ亡くなった森田耕一郎・国立天文台教授(当時58)の名を冠することで国際チームが合意したことが2日、明らかになった。

建設に尽力した森田さんをしのび、日本が担当した16台のアンテナの正式名を「モリタアレイ」とする。

森田さんと30年来のつきあいだった同天文台の石黒正人名誉教授(67)は「森田さんの業績は高く評価されており、名前が付くのは当然でうれしい。(森田さんの妻と子に)『お父さんの貢献が認められた』と伝えたい」と話している。同天文台は森田さんの命日の7日に正式発表する予定。

アルマ望遠鏡は、標高5千メートルのアタカマ高地に、パラボラアンテナ66台を並べた電波望遠鏡。日本はそのうち16台の開発と製造を担当し、アンテナの台数や置き方を決める大役を担ったのが森田さんだった。「森田さんがアンテナの配置を決めた結果、天体の画像の質が格段に向上した」(石黒さん)という。

だが森田さんは昨年5月7日、サンティアゴの自宅前で強盗に頭を殴られ死亡。今年3月の本格的な観測開始に立ち会えなかった。

そこで同天文台の林正彦台長が日本の設備に森田さんの名前を付けようと提案。アルマ望遠鏡を運営する世界の天文学者らによる会合で、全会一致の賛同が得られた。

森田さんは名古屋大で博士号を取得、野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)の勤務などを経て2010年にチリに赴任した。温和な人柄で現地に溶け込み、リーダーの一人として国際チームを引っ張った。チリや欧米のスタッフからも慕われ、森田さんの研究室は事件後に花でいっぱいになった。〔共同〕

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