2019年2月19日(火)

トンネル崩落110メートル以上 老朽化が原因か

2012/12/2 22:13 (2012/12/2 23:34更新)
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高速道路のトンネルの天井が崩落した事故は道路建設工事に詳しいゼネコン関係者が「過去に聞いたことがない」と驚く異例の事故だ。笹子トンネルは完成から30年以上が経過しており、老朽化が影響している可能性もある。国土交通省は、高速3社が管理する全国の同種トンネル二十数本(上下線分離のものは2本とカウント)の緊急点検を指示。高度成長期にできた全国のインフラの保守管理の重要性が改めて浮き彫りになった形だ。

笹子トンネルの概要図を示して説明する中日本高速道路の幹部(2日、名古屋市中区)=共同

笹子トンネルの概要図を示して説明する中日本高速道路の幹部(2日、名古屋市中区)=共同

中日本高速道路会社によると、笹子トンネルの天井板は、トンネル上部から長さ約5.3メートルのつり金具で支える構造。1枚の天井板は幅5メートル、奥行き1.2メートル、厚さ8センチで約1.2トン。左右に1枚の2枚一組をつり金具に沿った中壁と、両端の固定具で押さえている。

中壁で仕切られた天井板より上の空間は排気と送気に分かれ、トンネル内を換気する役割がある。車の進行に対し横方向から空気を送るため「横流方式」と呼ばれ、こうしたトンネルは少数だ。

事故では中壁を含む約270枚が落下し、110メートル以上にわたり崩れた。同社は、つり金具や中壁が何らかの理由で落下したとみている。ただ、1本のつり金具が落ちれば他のつり金具や天井板に負荷がかかるが、固定するボルトが1本欠落しただけですぐに崩落につながるとは「考えにくい」(同社)という。

同社は9月、笹子トンネルの詳細点検を2日かけて実施。天井板の上に作業員が上がり、つり金具を固定するボルトに異常がないかを目視で調べるとともに、天井板をたたく「打音点検」で強度に異常がないかを確認した。しかしトンネル最頂部は、目視のみで打音点検はしていなかった。

11月30日にも高速道を車で走りながら天井板を目視で点検したが、異常は見つからなかった。

国交省によると、トンネルの定期的な保守については、旧建設省通達を基に、日本道路協会などが「道路トンネル維持管理便覧」を策定。高速道路各社など道路管理者はこれに基づき定期点検をしている。高速道トンネルは2~5年に1回程度、重要性の高い道路は状況に応じ1年に1回の点検が望ましいとされる。

事故を受け、笹子トンネルを一部施工したあるゼネコンは幹部らが対応を協議したが「情報収集中で詳しいことは分からない」という。別のゼネコンの幹部は「天井付近が老朽化していたのでは」とみるが「聞いたことがない事故」と驚く。

中日本高速で維持管理を担当する吉川良一専務執行役員は、地盤の状況など外部要因が崩落を引き起こした可能性について「現段階では分からない」としている。

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