2019年4月24日(水)

重文級含む史料、数万点発見 岩倉具視が使った暗号表など

2014/2/3付
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1877(明治10)年の西南戦争で明治政府のナンバー2の右大臣だった岩倉具視が使った暗号表や、最後の徳川将軍・慶喜が官軍に江戸攻撃中止を求めた直筆哀訴状など重要文化財級を含む数万点の史料が、江戸―明治の本草漢学塾「山本読書室」跡(京都市下京区)の土蔵に秘蔵されていたことが2日、分かった。

松田清京都外大教授(日本洋学史)が約2年半調査、目録を刊行した。

重文級は少なくとも数百点で、ほかに菅原道真直筆の可能性が指摘される9世紀の写経もあり、新史実の解明が期待できる一大史料群として注目されそうだ。

新史料の年代は平安から明治と広いだけでなく、古文書や書画、博物標本、歴史的な手紙など多岐にわたり、中野三敏九州大名誉教授は「類例のない大量の新史料」と評価している。

暗号表は紙製で、大小2枚の円盤の周りにそれぞれカタカナが書いてある。直径約10センチの小さい方の円盤を回して文字を変換する仕組み。また、東京の岩倉が九州の戦地や、大阪の大久保利通らと電報や暗号表など最新技術を駆使して交わした秘密通信文61通もあった。士族反乱が全国に広がらないよう、情報収集していた老練な政治家の息遣いが伝わる。

慶喜の哀訴状は、時代が江戸から明治へとなった1868年、江戸攻撃が8日後に迫った3月7日に官軍に届けられた。「慶喜一身」を罰し「無罪之生民」に苦しみを与えないよう、攻撃中止を求めた内容。当時、回覧のため筆写されたので内容は知られていたが、直筆は初めて。

山本読書室は本草学(博物学)の西日本の拠点で、医学や儒学なども教えていた。創立者の山本亡羊の孫、復一が岩倉の秘書で、伝記「岩倉公実記」の編集に携わったことから、実記編集用に集めた参照史料など数百点を所蔵していた。既に知られている岩倉関連史料は重要文化財で、専門家は今回の史料も重文級と評価している。

今回の史料は現在、京都府立総合資料館で一時的に保管されている。〔共同〕

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