2019年1月24日(木)

補強で重量増やクレーンずれ不安定に 沖ノ鳥島の桟橋転覆

2014/7/2付
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作業員7人が死亡した沖ノ鳥島(東京都小笠原村)の桟橋転覆事故で、国土交通省関東地方整備局が設置した原因究明・再発防止検討委員会は2日、中間報告を公表した。桟橋の補強などで重量が設計よりも増したうえ、もともと桟橋上にあったクレーンの設置場所が中心からずれており、不安定になったことなどが事故の原因と指摘した。

同委員会は、作業員が録画した工事のビデオ映像や関係者の聴取を基に事故の原因を分析した。

桟橋は縦20メートル、横30メートル、厚さ5メートルの直方体で、四隅から海底に打ち込んで固定するくい(長さ47.5メートル)が上部に突き出た構造。台船に載せ、引き船で設置場所までえい航する計画だった。

中間報告によると、桟橋は工事発注者の関東地方整備局が設計。重量は当初1700トン余りだったが、工事を受注したJV(共同事業体)がくいを打つ装置を補強したことなどで約120トン重くなった。この増量で桟橋の重心の位置が変わり、傾きから戻る「復元力」が設計段階からほぼ半減した状態だった。

桟橋を海に浮かべる際、当初から作業用クレーン(重さ12トン)が中心から左に6.5メートルずれて置かれていたため、桟橋は左に傾いた。安定を保とうとクレーンを右に動かしたことで左右に何度か揺れたという。

さらに台船とつなげていたワイヤ4本のうち左側の1本が破断。ワイヤをつなぎ直したが、左に傾いた状態を固定する形になった。

その後、右側から引き船2隻で桟橋をえい航する作業を始めたが、もともと左側に傾いていたため右側に揺れ、不安定になった。えい航や潮流による水の力で桟橋は右側に一段と傾き、下に引っ張る水圧も加わった。波もかぶって復元力を超える力がかかり、回転して転覆した。

桟橋を引き出す作業では、右側の引き船2隻に加え、小型船1隻も左側から引っ張って均衡させる計画だったが、小型船は参加していなかった。

▼沖ノ鳥島の桟橋転覆事故 東京から約1700キロ離れた太平洋上にある日本最南端の沖ノ鳥島で3月30日、国土交通省関東地方整備局が発注した港湾施設の建設工事中、桟橋が転覆して作業員ら16人が海に投げ出され、7人が死亡した。

同島周辺には海底資源があるとされ、調査船などを係留する港湾施設の整備は国の重点施策。同施設は2016年度の完成予定だった。国交省は原因究明・再発防止検討委員会の中間報告を受け、施工方法や安全対策を再検証し工事を再開させる方針。

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