老齢加算廃止訴訟 最高裁が原告勝訴破棄、高裁に差し戻し

2012/4/2付
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国の生活保護制度見直しに伴い、高齢者に上乗せ支給されていた「老齢加算」の廃止は違法だとして、北九州市の受給者39人が処分決定の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は2日、原告逆転勝訴の二審・福岡高裁判決を破棄し、審理を福岡高裁に差し戻した。原告勝訴が見直される公算が大きい。

同種訴訟は全国9カ所で起こされており、今回の「北九州訴訟」の二審・福岡高裁判決は、唯一の原告側勝訴だった。「東京訴訟」の上告審判決で、最高裁は今年2月、老齢加算の廃止は適法と判断していた。

この日の判決で、第2小法廷は「老齢加算の廃止や変更は、厚生労働相に専門技術的、政策的見地からの裁量権がある」と指摘した。

その上で、判決は、福岡高裁判決が原告勝訴の根拠とした厚労省の専門委員会の意見について「そもそも厚労相の判断を法的に拘束せず、考慮要素にすぎない」と判断。「二審判決はこれ以外の観点から、厚労相の判断の適否の審理を尽くしておらず、裁量権の逸脱で違法とした二審判決は誤り。裁量権乱用があったかどうかなどをさらに審理すべきだ」とした。

一方、判決は原告のうち、既に死亡した原告4人については訴訟の終結を宣言した。

原告弁護団長の高木健康弁護士は「行政判断に追随した判決で到底容認できない」と批判。原告の阿南清規さん(81)は「勝訴の判決を得るまで頑張りたい」と話した。

北九州市の中野正信保護課長は「判決内容を見ておらず、コメントできない。関係機関と協議して対応を検討したい」としている。

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