2019年1月18日(金)

JR大船渡線、バスで「仮復旧」 震災2年を前に
鉄路復活求め拒否する自治体も

2013/3/2付
保存
共有
印刷
その他

岩手、宮城両県を結ぶJR大船渡線で2日、「仮復旧」として運行を始めたバス高速輸送システム(BRT)。津波被害の大きい沿岸部では鉄道復旧の見通しが立たず、不便を強いられる住民からは歓迎の声が上がる。東日本大震災から間もなく2年。復興へ向けた街づくりの計画が進む中、自治体が仮復旧を拒否し、あくまで鉄路復活を望む路線もある。

「それでは出発します」。夜明け前の午前5時すぎ、雪の舞う岩手県大船渡市のJR盛駅前。駅長らが見守る中、赤い車体の始発便が乗客ら4人を乗せ、ゆっくりと車道に進んだ。一番乗りの同市の男性(43)は「海沿いを走る大船渡線の列車からの景観は最高だった。ここまで復活したのは夢のよう」と笑顔をみせた。

BRTは専用道にバスを走らせるシステム。区間によっては1日26便が走り、運休前の鉄道の約3倍に増便された。しかし43.7キロのうち専用道区間は当面1.9キロにとどまり、大半は一般道を走る。道路の混雑状況に左右され、定時運行は鉄道に劣る恐れもある。

同線の南側に位置し、昨年12月からBRTの本格運行が始まっている気仙沼線柳津―気仙沼間(宮城県、55.3キロ)では同年8月の暫定運行開始以降、専用道に一般の車が進入するなど交通事故が6件発生。朝の通学ラッシュ時は10~15分の遅れも慢性化している。

一方、山田線釜石―宮古間(岩手県、55.4キロ)については、JR東日本がBRT化の意向を示したのに対し、宮古市など沿線4市町が「専用道の計画が路線の2割弱にとどまり、現状の路線バスによる振り替え輸送と大差がない」と拒否した。

もっとも、路線バスはラッシュ時に混雑や遅れが目立ち、高校生から「片道1時間の間、列車のように座って勉強できない」などの苦情が出ているという。宮古市の担当者は「鉄道は生活に欠かせず、観光客の集客にも効果がある」と強調。鉄道の復旧を前提に街づくりの計画を進めているといい「費用や利用促進の話し合いを国やJR東と進めたい」としている。

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報