2019年1月19日(土)

母から3歳児へ生体肺移植 中葉部分は世界初
岡山大病院が実施

2013/7/1付
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岡山大病院は1日、病気で肺の機能が低下した関西地方の男児(3)に、母親の右肺の中葉部分を摘出して移植する生体肺移植手術を実施し、成功したと明らかにした。肺を構成する「葉」の中で最も小さく、幼児の体格に合う大人の中葉を使った。病院によると、生体での中葉移植の成功は世界初。国内最年少の肺移植患者になるという。

岡山大病院で実施された移植手術(1日、岡山市)=同病院提供・共同

執刀した大藤剛宏准教授は1日夜の記者会見で「移植した肺は順調に機能している。手術は難しかったが、中葉は移植に使えると確信した」と話した。

母親の摘出手術は1日午前10時すぎ、男児の手術は午後1時半ごろ始まり、午後9時までに終了した。男児は1~3カ月後、母親は約2週間後に退院の見通し。

大藤准教授によると、右肺は上葉と中葉、下葉に、左肺は上葉と下葉に区分される。通常の生体移植は、肺の中でも容量が大きく肺全体の形と似ている下葉を移植する。

しかし幼児の場合、下葉ではサイズが大き過ぎるため、最も小さい中葉を男児の右肺に移植することにした。サイズが合う幼児ドナー(臓器提供者)が現れる可能性も低かった。

男児は約2年前に白血病治療で骨髄移植を受けたが、移植された細胞が患者の体を異物と認識して攻撃する移植片対宿主病(GVHD)を肺で発症。肺機能が低下し、酸素吸入をしていた。

男児が10~15歳ぐらいになれば今回の中葉だけでは肺の容量が足りなくなる。機能が低下したまま残した男児の左肺に、父親の下葉を移植する計画もあり、この年齢になれば脳死ドナーからの肺提供も見込めるという。 中葉は、通常使用する下葉とは形や血管などの位置関係も異なり、サイズも小さいため、難易度が高い手術とされる。

大藤准教授は「中葉移植が可能になれば、今まで移植ができなかった乳幼児を助けることができる」とした。〔共同〕

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