2019年4月22日(月)

学童保育にも「プロ」 指導員ら講座に続々

2014/5/7付
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共働き家庭の児童を預かる学童保育(放課後児童クラブ)。指導員に関する公的資格がないなか、子供と話したり遊んだりする技能を学ぶ民間の資格講座が増えている。プロの保育士であっても、小学生の振る舞いに戸惑うケースは多いといい、各地で開かれる講座は盛況。専門家らは「指導員の質の向上につなげてほしい」と期待している。

「子供の話を最後までじっと聞くことが大事」「持ち物を褒めることも有効です」。4月下旬、東京都心で「キッズコーチ検定3級」の講座が開かれ、参加した19~53歳の28人が講師の話に聞き入った。

約3時間の講義後、検定試験を受け終えた横浜市の保育ボランティアの女性(26)は「我流で子供と接してきたが、知らないことが多く勉強になった」と笑顔を見せた。

同検定は2012年、学童保育運営会社が設立した一般社団法人「キッズコーチ協会」(東京)が、学童保育などの指導員向けに始めた。児童との対話の仕方や保育現場の危機管理の能力を習熟別に1~3級の3段階で認定。実技を含む100時間超の講習を受け、指導員のリーダー役としての能力が認められれば「認定キッズコーチ」の資格を得られる。

13年7月には大阪市と名古屋市でも3級の講座を開催。学童保育などの指導員を中心に合格者は既に1千人を超えた。同協会の三沢敦子マネージャーは「幅広い世代の受講者がおり、ニーズの高まりを感じる」と話す。

学童保育を巡っては、指導員の能力を認定する公的資格がない。厚生労働省は指導員に求める資格として保育士や教員免許などを挙げるが、必須でないため指導員の約4分の1は無資格。ボランティアが放課後、児童に勉強などを指導する文部科学省所管の「放課後子供教室」も資格要件が定められていない。

保育の現場で「保育の質にばらつきが生まれかねない」との懸念が高まるなか、各地の専門家が指導員の能力を認定する資格を考案し始めた。岡山大などは09年、NPO法人「日本放課後児童指導員協会」(岡山市)を設立。大学教員らによる講座を受けた人を「放課後児童指導員」と認定し、540人が既に資格を取得した。

同法人副理事長で岡山大の中山芳一助教(教育方法学)によると、幼稚園教諭や保育士の資格があっても、小学生段階の児童の振る舞いに戸惑う指導員も多いという。中山助教は「専門的な知識があれば児童の心理状態が分かり、落ち着いて対処できる」と指摘する。

教員養成課程がある複数の大学が設立した一般社団法人「教育支援人材認証協会」(東京)は、11年に「こども支援士」を設けた。都内で開く講義に東北や関西などから参加する人も多く、同協会は「遠方からでも受講しやすいよう地方の講座を増やしたい」としている。

■学童保育と放課後子供教室 学童保育は両親が共働きなどの小学生を放課後に自治体や企業が預かる事業。2013年時点で2万1482カ所あり約89万人が利用。大半が有償で、年間280日以上開く施設が8割を占める。定員オーバーで入所できない児童も多く、国は14年度末までに利用者を111万人に増やす目標を設定。保育施設の増設や指導員の拡充を目指す。
 放課後子供教室は、全国に1万376カ所(13年)。学童保育と連携して実施する自治体もある。週2~3回開き、利用料は無料としている教室が多い。

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