今年の世界経済、3.4%成長に減速 IMF

2014/7/25付
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【ワシントン=矢沢俊樹】国際通貨基金(IMF)が24日発表した最新の世界経済見通しによると、2014年の世界全体の実質成長率は年率3.4%と、今年4月時点の予測から0.3ポイントの下方修正となった。米景気の一時的な落ち込みや、一部新興・途上国の成長鈍化が響く。中東情勢などを巡る地政学的リスクから、世界的な景気の調整色が強まる可能性にも言及している。

IMFは、今年1~3月期に大幅なマイナス成長に陥った米経済が春以降に成長の勢いが戻ると分析。中国も当局による小刻みな財政刺激策が景気を下支えするとの見方を示した。14年の世界成長率は下方修正とはいえ現時点では13年の実績を上回っており、15年も4.0%成長と4月の予想を据え置いた。

複数の下振れリスクを強く意識し、「世界の成長は長期にわたり一段と弱まる可能性がある」と指摘した。特にイラクやウクライナ情勢を巡って地政学的な緊張がさらに高まり、原油価格急騰などのシナリオが現実味を帯びかねないとした。主要先進国でインフレと景気悪化が同時進行する「スタグフレーション」が発生する可能性にも触れた。

金融政策を巡っても、米連邦準備理事会(FRB)が正常化を進める過程で米長期金利が予想外に上昇し、比較的安定した状態が続く金融市場が「反転するリスク」に言及した。

IMFのブランシャール調査局長は声明でFRBの出口論そのものは「適切だ」と理解を示しつつ、「利上げの時期は雇用、インフレ率の動向に応じて調整されるべきだ」と慎重な対応を求めた。

国・地域別に経済の情勢をみると、米は足元の「投資の回復がより控えめ」なことから、年初の低迷を補い切れないだろうと分析。

日本は今年1~3月期の景気が「想定外に強かった」といい、14年の成長率を4月予想から0.3ポイント引き上げ、1.6%とした。15年は消費税率の10%への引き上げなどを織り込み、1.1%の低成長にとどまる。

ユーロ圏はドイツの成長がやや上振れする一方でフランス、イタリアなどの低迷が長引くなど依然、ばらつきが大きい。圏内では「インフレ率が長期にわたって低下する可能性がある」という。

ウクライナ危機と経済制裁に見舞われるロシアは14年の成長率がわずか0.2%に急降下。長期的に投資の伸びも鈍る恐れが強く、先行きの不確実性が濃い。中国も回復テンポが一段と緩やかになるとして、15年の成長率を7.1%に引き下げた。

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