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EPAで農産物の例外多いことを問題視 WTO対日審査

【ジュネーブ=原克彦】世界貿易機関(WTO)は19日発表した日本の貿易政策に関する審査報告で、経済連携協定(EPA)などで農産物に関税自由化の例外措置が多いことを批判した。高い関税だけでなく減反なども含めた農業保護策を問題視。経済政策全般では財政再建の必要性も強調し、配偶者控除の撤廃などを提案した。

WTOは2年に1度、対日貿易政策審査報告を作成・発表している。今回の報告書は審査対象の期間が民主党政権の2011~12年で、昨年末に発足した安倍政権の政策には言及していない。

報告書は日本がEPAや自由貿易協定(FTA)の締結に積極的に取り組んでいることを評価。WTOは2国間や地域間の貿易協定が、多国間交渉を促す土台になることを期待している。ただ、「農産物の輸出国との協定では多くの品目が除外されている」と指摘。メキシコやマレーシアとの協定では相手国に比べて日本側の関税削減品目が少ないという。

農業では過去の審査報告に続き、政府による農業への補助が国内総生産(GDP)の1.1%にものぼることを改めて指摘。農産物の消費者価格は保護政策がなかった場合に比べ7割ほど高くなっているという。また、ヨーグルトや粉ミルクなどの乳製品を中心に特別セーフガード(緊急輸入制限)を多発したことも問題に挙げた。

日本経済全体では東日本大震災の復興需要などが12年の経済成長率を押し上げると分析しつつ、「補正予算などは高齢化を含む長期的な構造問題への対処にならない」とした。特に財政再建の遅れを挙げ、昨年決めた消費税率の引き上げだけでは不十分と指摘。先進国の中では税収のGDPに対する比率が低いことから、増税の余地は大きいとしている。

非関税障壁にもなりうる日本独自の工業製品規格は、11年までに日本工業規格(JIS)の54%が国際標準に対応し、09年の46%から上昇したことを評価。サービス分野では航空分野の自由化を前向きな取り組みとして挙げた。

WTOは19日と21日の両日に主要加盟国が参加する対日貿易政策審査会を開く。大胆な金融緩和と財政出動を組み合わせた「アベノミクス」を受けた円安進行に対し、各国がどう意見するかが焦点になりそうだ。

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