30キロ圏内の避難・退避 「最悪を想定し設定」保安院

2011/3/19付
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原子力安全・保安院は19日、福島第1原発から30キロ圏内の住民に対する避難や屋内退避の指示について、「複数の原子炉が破損し、放射性物質が漏れる最悪の状態」を想定した対応であると明らかにした。「起こり得ない事態を考え、さらに余裕を持たせている」としており、現状ではそれ以上の避難・退避は必要ないとの立場だ。

経済産業省の西山英彦審議官が同日未明の記者会見で説明した。政府は原発から20キロ圏内の住民には20キロより外に出るよう指示。20~30キロの住民には屋内退避を促している。だが、どのような事故を想定して指示を出しているかが明確ではなかった。

一方、米国大使館が在日の米国人に原発から80キロ以上離れるように勧告するなど、日本政府の対応を超える指示を出した国もある。このため地元住民に不安が拡大し、30キロ圏外でも自主的に避難する人が増えるなど、混乱を招いている。

原発には、核燃料に近い順に原子炉圧力容器、格納容器、建屋など、放射性物質をとじ込めるカベが何重にもある。政府が「最悪の事態」として想定するのは、複数の原子炉でこれらのカベがすべて破損し、放射性物質がじかに大気中に放出される状態。だが現状では圧力容器の破損は1基も確認されていない。

原発事故を受け、国外に逃れる人も増えている。西山審議官は「個人の行動に口は出せないが、その必要はないと感じる。我々の説明が足りないこともあるかもしれない」と話した。

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