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再生エネ、太陽光偏重を見直し 購入価格1割下げ

経産省、風力や地熱発電促す

政府は太陽光発電の急拡大を支えてきた再生可能エネルギーの価格政策を見直す。経済産業省は11日、買い取り価格を2013年度から約1割下げる案を決めた。太陽光以外の風力や地熱発電などの買い取り価格は据え置いた。太陽光の突出した普及速度を抑え、再生エネ全体の均衡の取れた振興をめざす。

新価格案は、住宅用の10キロワット未満が38円、事業者用の10キロワット以上が37.8円に下がる。3月中に意見を公募したうえで正式決定する。

固定買い取り価格制度の1年目にあたる12年度に、太陽光の買い取り価格は1キロワット時42円だった。太陽光発電に必要なパネルなどが高価だったこともあり、小規模な一般家庭にも設置しやすいように他の電源より割高な優遇価格を設定した。

この優遇価格が支えとなり、太陽光発電は爆発的に普及した。12年度は4~12月に原発約5基分に匹敵する512万キロワットの設備が政府に認定を受けた。再生可能エネの発電設備のうち政府に認定を受けた9割以上が太陽光。価格が安い地熱、風力、中小水力、廃材などを使ったバイオマスで運転を開始した件数は1桁にすぎない。

太陽光に偏った再生エネ政策は、割高だった太陽光パネルの値下がりというコスト低減効果をもたらした半面、主に2つの影響を及ぼしている。

その1つは、電力インフラへの影響だ。広大で安い土地が広がる北海道では大規模な太陽光発電の設備が集中した。大都市など電力の消費地に運ぶ電線の容量が不足すると懸念される。

もう1つは、再生エネルギーでつくった割高な電力の代金を間接的に負担する企業や家庭への影響。再生エネの割高なコストは、電気料金に上乗せされる格好で、電気利用者が負担する。13年度の新たな買い取り価格案に基づいた負担額は、5月分から1キロワット時当たり0.4円。毎月7000円程度の電気料金を払っている家庭の場合、月120円となり、12年度比で4割弱の負担増だ。

産業界では経産省の価格引き下げ案を「想定の範囲内」と受け止める声が多い。「36円まで下がれば余裕はなくなるが、37~38円の間ならば十分に可能だ」。日本で急速に太陽光パネルのシェアを伸ばしている韓国中堅財閥ハンファグループの日本法人幹部はいう。

パナソニックも「今後の事業計画は、この価格帯に変更されることを織り込んでいる」。マレーシアの新工場で一貫生産を始めた太陽光パネルを輸入し、コスト削減努力を強化する。太陽光発電の固定買い取り価格はさらに下がっても利益が出る可能性はある。

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