2019年2月19日(火)

増資インサイダー、野村主幹事で3件目 管理体制に不備か

2012/6/8付
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証券取引等監視委員会が3月以降、相次いで課徴金処分を勧告した増資インサイダー問題で、4件の事案のうち3件は野村証券が増資の引受主幹事を務めていた。監視委は同証券の営業社員から未公表の増資情報が投資家に伝達されたとみており、現在進めている特別検査で野村社内の内部管理体制に不備がなかったかどうか調べている。

監視委が8日までに課徴金勧告を出したのは国際石油開発帝石、みずほフィナンシャルグループ、東京電力の増資インサイダー取引。野村社内で増資情報を投資家に事前に伝えたとされているのは、信託銀行など大口の機関投資家向けの株式営業を担当する「機関投資家営業部」に所属する複数の営業社員らだ。

証券会社の社内では、増資など企業の機密情報を扱う投資銀行部門と、外部の投資家に日々接する営業部門の間に「情報の壁」を設け、インサイダー情報が営業部門に伝わるのを防いでいる。

だが監視委はこれまで3件の事案を通じ、野村では情報の壁を越えて投資銀行部門から営業部門に増資情報が漏れていたのではないかとみている。情報の壁が十分に機能していたのか、機密情報の外部流出に組織的な側面はなかったかなどを調べている。問題を把握すれば、監視委は野村の処分勧告を検討する。

日本株売買シェアで約13%と首位の野村も、外資系証券などとの間で激しい競争を繰り広げている。顧客の機関投資家はサービス内容などで証券会社の営業社員を個別に点数付けし、その点数をもとに株の発注額を決めていた。野村の営業社員も増資情報という「耳寄り情報」を事前に投資家に伝えることで、顧客の評価を高めようとしていたとも指摘されている。

野村は8日、米ファースト・ニューヨーク証券と旧中央三井アセット信託銀行の増資インサイダー取引について「当社社員から内部者情報を入手していたと認められたことは誠に遺憾」とのコメントを発表した。監視委の特別検査や社外弁護士らによる社内調査を踏まえて「改善策の策定や人事処分を含め厳正に対処していく」としている。

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