2019年2月24日(日)

都心上空の飛行解禁 国交省案、羽田など発着枠拡大で
五輪へ国際化を加速

2014/6/6付
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国土交通省の有識者会議は6日、羽田、成田両空港の発着枠拡大案をまとめた。騒音対策のため認めてこなかった航空機の都心上空飛行を解禁するのが柱。2020年の東京五輪を前に発着枠を1割程度増やし、国際化を一段と進める。ただ都心上空の飛行は過去に地元の反発で断念した経緯がある。今回は五輪開催を追い風とするが、実現には課題も多い。

「人口減が進む中で経済の活力を維持するには、首都圏が日本のエンジンとしてアジアの成長を取り込む必要がある」。6日の記者会見で有識者会議の家田仁委員長(東大教授)は、発着枠の拡大で国際線を充実させる必要性を訴えた。

国交省の需要予測では22年にも両空港の発着枠が足りなくなる。日本を訪れる外国人を増やし、消費拡大や企業進出を促すには容量不足を解消する必要がある。

この日に示した拡大案では、五輪までに両空港の発着枠を今年度末見込みの約75万回から8万回程度増やせるとした。五輪後には両空港で滑走路の増設を検討し、最大112万回まで増やせるとの試算を示した。

一連の拡大案で不可欠なのが都心上空の飛行解禁だ。現在は市街地の騒音を抑えるため、羽田空港に発着する旅客機は限られた飛行経路を使うが、上空の混雑で「空港の処理能力を落とす要因となっている」(国交省幹部)。空域を広げずに新しい滑走路を設けても、増枠には限界がある。

具体的には、現状の6千フィート(約1800メートル)以上から3千フィート以下でも東京都や神奈川県の上空を飛べるよう規制を緩める。空港に近い川崎市や大田区との調整が焦点になりそうだ。

上空飛行は過去にも検討課題に上ったが、地元の反対で実現できなかった。自治体や住民の理解は今回も大きな課題で、大型機の運用を避けるなど「騒音の影響が大きくならないよう配慮する」(家田委員長)という。

財源の問題もある。騒音が生じると住宅や学校の防音工事が必要となるが、午後3~7時の運用で対策費は数十億円に上る見通し。今後は自治体や航空会社を交えた検討の場を設け、具体的な飛行経路や運用方針について議論を深めていく。

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